世界中に山のように存在するラモーンズ・フォロアー・バンド、もっと正確にいうとラモーンズのフォロアーのフォロアー・バンド(=直接影響を受けたバンドから影響を受けたバンド)、TEENAGE BOTTLE ROCKETがアメリカ大陸のど真ん中、イエローストーンで超有名なワイオミング州から初来日。爆音とパンク・イベントでごった返す東京・渋谷の会場を抜けだし、近所の駐車場でこじんまりと(笑)真面目にトーク。最後にはお腹のイーグルTATOOも見せてくれ楽しい時間となりました。

──メンバー:ここでインタビュー?(笑)。キャンプ場みたいだな。OK、始めよう。

●ちょっときゅうくつだけど(笑)よろしくお願いします。まず、初来日なのでそれぞれ自己紹介をしてください。

──ミギー:俺の名前はミゲル。ベースを担当している。

──ブランドン:俺はブランドン。ティーンエイジ・ボトルロケットでドラムの担当。

──レイ:レイ。ボーカルとギターを弾いている。

──コーディー:コーディー。ボーカルとギターを担当。

●それぞれ、ラモーンズ以外で影響をうけたバンドを教えてください。

──ミギー:NOFX。ディセンデンツ。グリーン・デイは最高。

●昔のグリーン・デイ?それとも現在の?

──ミギー:答えにくい質問だなあ(と困った顔をしながら)グリーン・デイはとにかく素晴らしいよ。

●わかったわ(笑)。

──ブランドン:アルカライン・トリオ。ディセンデンツ。ザ・パイン・ヒル・へインツ。

──レイ:ローレンス・アームズ。デッド・トゥー・ミー。バウンシング・ソウルズ。ディリンジャー・フォー。

──コーディー:スクリーチング・ウィーゼル。質問は「影響を受けたバンド」ってことだよね?

●そうです。

──コーディー:だったら、スレイヤーも。

●私もスレイヤーは好き。彼らはクールだよね。

──コーディー:(頷く)

●ラモーンズを最初に聴いた時の印象はどうでしたか。また、そのアルバムのタイトルや曲を教えてください。

──ミギー:難しい質問だな。「ピンヘッド」は本当に好きな曲。素晴らしいバンドだよね。シンプルな音楽だから、多くの人にとっても演奏しやすいし。

●初めて聴いたのは何才の頃だった?

──ミギー:俺の場合、初めてラモーンズを聴いたのはそんなに早くないんだ。たしか17才か18才の頃からはよく聴いていたよ。その前は結構荒っぽいバンドをよく聴いていたよ。

──ブランドン:16才のころ、友達とビデオを観ていた時、スクリーチング・ウィーゼルのライブ・フィルムの中でメンバーのダン・ヴァピッドがラモーンズのTシャツを着ていたのが気になって。「あっ、ダンはラモーンズが好きなんだ」ってわかったから、俺もラモーンズを探して聴いてみたんだよ。まず『ラモーンズ・マニア』を買って、「ボンゾ・ゴーズ・トゥ・ビットバーグ」や「ビート・オン・ザ・ブラット」が好きだったな。それからは、古い曲から新しい曲までよく聴いたよ。「KKKトゥック・マイ・ベイビー・アウェイ」や、もちろん「ブリックレイグ・バップ」も。この曲は子供のころに観た映画『ナショナル・ランプーン・バケーション』の中で使われていたから、聴いたことがあるって覚えていたよ。ただその頃はまだ、ラモーンズもいいけど、スクリーチング・ウィーゼルの方がかっこいいと思っていた。ところが21歳の頃、ある日友達の車を運転しているときに、ラモーンズの曲がすごく胸に響いたんだ。このバンドこそ今まで聴いてきた中で一番だって。それ以来、ずっとお気に入りのバンドの一つだよ。そうなるまでは少し時間がかったけど。最初に聴いたときは「まあまあだな」くらいにしか思わなかったのが、その日を境に、昔聴いていた音よりずっとクールに響いたんだ。今は心からラモーンズを愛してる。

──レイ:最初にラモーンズを聴いたのは「ペット・セメタリー」。たしか10才のころに映画の中で。「シーナはパンク・ロッカー」もその映画で聴いたよ。でも音楽がラモーンズだって知ったのは何年か後のことなんだ。今は、最初の三枚のアルバムをよく聴いているし、どれも素晴らしいね。

──コーディー:俺が最初に聴いたのも「ペット・セメタリー」の映画。それからレコードを買って。かなりのお気に入りだったよ。それから最初の二つのアルバムを編集したコンピレーション・アルバムを買って、「ブリッツクレイグ・バップ」や「ビート・オン・ザ・ブラット」が好きだったな。でもその頃はまだ他のバンドもいろいろ興味があったから、本当に彼らのことを理解したのはしばらく後になってからだよ。

●メンバーに会ったことはありますか?

──ブランドン:俺はマーキーに会ったことがあるよ。

●ラモーンズが終わってからのマーキー?

──ブランドン:ああ、ミスフィッツのツアー中で、ドラムを叩いていたよ。ライブが終わってから、昔の写真を持っていたからサインをお願いしたんだ。地元に戻ってラジオ番組で放送するためだったけど、すごく嬉しかったよ。

──コーディー:ぼくはジョーイに会ったというわけではないけど、見たことがあるよ。ぼくがいた昔のバンドがニューヨークでクイアーズと演奏したときに、ジョーイがそこにいて。彼が亡くなる前に会えたってことはすごく貴重なことだよ。

●日本ではティーンエイジはラモーンズ・パンクと言われていますが、そう呼ばれることは正直どう思いますか。

──レイ:そう呼ばれることは避けられないことだし、俺らはそれを悪い意味にはとっていないよ。明らかに俺たちの音楽はラモーンズの影響を受けているし、ラモーンズは素晴らしいバンドだからそう呼ばれることは好意的に受け止めている。でもだからといってティーンエイジの音楽が100パーセント、ラモーンズの影響で構成されているわけではない。俺たち独特の持ち味があると自身をもっている。確かに同じパンク・サウンドだけど、いろいろな料理がそれぞれ違う材料でできているように、ぼくらの音楽も別の材料で作られているんだ。まあ、でもラモーズの影響を受けているって言われることは、とても良いことだと思っているよ。彼らは素晴らしいバンドだからね。

●今年の4月にマーキー・ラモーンが来日したときのインタビューで、マーキーは「エイト・ビートの一定の音を叩き続けるために、左右のスティックの重さを替えて練習した」と言っていました。マーキーは左手が弱いので強くするために、左手に太いスティックを持ってていたそうです。今までエイト・ビートをキープするのは難しいと思ったことはありますか。

──ブランドン:俺たちのステージでは今、ギターのダウンストロークはすべてドラムにあわせているんだ。そのために俺は太いスティックで叩いているんだよ。始めて2、3年のころは鈍い感じで音もひどかったけど、1年もたつと動きが楽になって、今はこの高度な演奏法がかなりいい形になっていると自信を持って言えるよ。他のバンドで同じような演奏をしているはあまり見ないよ。

●他のメンバーはどうですか?

──レイ:ドラムのビートに合わせるダウンストロークをどう思うかってこと?

●そう。

──レイ:簡単だよ。

●それは若いからかしら?

──レイ:そうかもね(笑)

●ラモーンズの映画『ロックンロール・ハイスクール』の主人公みたいに、ラモーンズに曲を提供するようなことになったら、自分たちのどの曲を選んでもらいたいですか?今、ハワード・スターンが映画のリメイクをしているので聞いてみたいんだけど。

──ブランドン: 「ブラッド・バス・アット・バーガーキング」がいい映画になるかも。 それか・・・、多分新しいアルバムから一曲。

●写真では、ライダースの革ジャンを着ているけど、楽器もモズライトを使っていたりする?

──ブランドン:ミギーはCJと同じベースをもっているよ。モズライトじゃなくてフェンダーPベース。

──ミギー:レイは昔モズライト使っていただろう。でも今はギブソンだよ。

●モズライトはアメリカでは有名ではないのかな?

──ミギー:有名だよ。レプリカはよく出ているよ。スクイージング・ウィーゼルも持っているし。でもモズライトはすごく高いんだよ。

●モズライトは日本ではそんなに高くないはずよ。10万円くらいから買えると思う。

──ミギー:ワオ、それは安いね。アメリカでは2500ドルするよ。

──レイ:アメリカでは昔は人気があったけど、今はそれほどでもない。モズライトを使っているバンドも最近はあまり見ないよ。昔だったらモズライトを演奏していたら「すごい!」と思われただろうけど、今はどうかな・・・。

●モズライトは氏が亡くなってからその権利を日本の会社が買って日本で製作できるようになったから、値段が安いんだと思う。

──レイ:じゃあ俺にも一つ買ってよ(笑)。

●「イン・ザ・ベースメント」という曲がありますね。ラモーンズの「アイ・ドント・ワナ・ゴー・ダウン・トゥー・ベースメント」という曲と同じ言葉がでてくるけど、日本の家にはふつうベースメントがないから、わからないんだけど、どうしてみんなベースメントに行きたくないの。

──ブランドン:(笑)小さな子供が暗がりを怖がって「行きたくないよー」って泣く場面を見たことはない?スティーブン・キングの映画「イット」の中に出てきたみたいな。親に怒られて「ベースメント(地下室)に行きなさい」って言われて、 子供が「えー、ベースメントに行くのー」と半泣きになって、地下室のドアを開けて、恐る恐る下の方を見て、ゆっくり降りていく。そこに「早く行きなさい」と親の声がして慌てて・・・みたいに、アメリカ人、特に子供にとっては、怖い場所の定番さ。ホラー映画や恐怖映画ではよく地下室の場面が出てくるだろう。モンスターが地下室に忍んでいるみたいな。怖い映画を見た後は「ベースメントには行くなよ」といったりするよ。

●日本だと押入れ(クローゼット)かな。

──レイ:そう、そう。ベースメントもクローゼットも同じこと。

──ブランドン:(歌いながら)アイ・ドント・ワナ・ゴー・トゥー・クローゼット!!(笑)

●(通訳さんが)映画の『リング』のテレビも恐いよね。

──レイ:他にも怖い場所はいくらでもあるよ。例えば俺の彼女の運転する車とか。彼女の運転はほんとに怖いからね。(笑)

●ワイオミングに行ったことがあるんだけど、自然に囲まれた素晴らしい場所ですが、パンク・シーンはどんな感じ?

──ブランドン:俺たちが住んでいるのはワイオミング大学がある学生街だから、いろいろな地方から生徒が集まってくる町なんだ。人が集まる場所だから常に素晴らしいバンドのライブやイベントが開かれているよ。例えばフガジやローレンス・アームズやグルーヴィー・グーリーズなどのライブもあったし。ワイオミングのキャスパー市では94年から98年にかけてミュージック・シーンが急発展していて巨大なスペースで大きなライブも開かれている。 とにかく学生街だからいろいろなイベントがあるよ。

──レイ:若者の間では、アンダーロックも熱い人気があるよ。ワイオミングには余り娯楽がないからね。夏はハイキングや釣りにいいけど、冬になると寒くて家にこもって退屈だから人々は音楽を求めると思うんだ。だからワイオミングには熱心なアンダーロック・ファンがいるんだ。

──ブランドン:東京とは全然環境が違うし。きっと、ワイオミング州全体の人口より渋谷の街角を歩いている人の数の方が多いんじゃないかな(笑)。

●今度また私がワイオミングに行くとしたら、お勧めのライブハウスやレコード・ショップはありますか?

──ブランドン:俺の家においでよ(笑)。ベースメントもあるし、一緒に音楽聴いていちゃつこうよ(笑)。

──レイ:ワイオミングで俺たちが演奏する「クラブ」と言ったら、地元の労働者が集まるようなカウンターバー、いわゆるカウボーイ・バーみたいな場所なんだ。都会のライブハウスみたいな場所とはちがうんだ。まあ考えようによっては、「パンク・ロックは社会に認められない抑圧に対する反発だ」っていうことが古臭い言い方だけど真実でもあるから、ワイオミングにおけるパンク・ロッカーはまさにそんな感じでクールとも言えるかな。実際ワイオミングでは、人と違うことをすることは疎まれる雰囲気があるんだ。クラブに300人集めて音楽を楽しむのはいいけど音は小さめでね、うるさくしないでね、みたいな。パンク・ロッカーっていうと普通の人はちょっとひくような感じは否めないな。でもレコード・ショップならお勧めがあるよ。キャスパー市にSonic Rainbowっていうショップがあるから。

──ブランドン:ワイオミングに来てみればわかると思うけど、パンク・ロッカーはあまり見かけないだろ。実際にはいるんだけど、ライブが行われている時をのぞいては、集まるような場所もないし、外には出歩いてはいないんだ。パンク・ロッカーは確かにいるんだけど、なかなか見つけられないんだ。

●そう思っていたけど、こうしてティーンエイジの活動をみて、ワイオミングにもパンクバンドがあるんだってわかったよ。

──ブランドン:まあ、俺ら自身はワイオミングの生活を楽しんでいるよ。ミギーも俺も一緒に釣りを楽しんだり、山に行ったりして住みやすいよ。都会とは正反対のスローペースで気楽な雰囲気はとってもいいものさ。

●私は東京生まれでストレスが溜まるとワイオミングに行きたくなるよ。

──レイ:東京とワイオミングは正反対だよね。

●東京の第一印象はどうでしたか?

──レイ:ワオ! まずたくさんの人が笑顔だったことに驚いたよ。すごい人混みにあってもみんな幸せそうに見えたし。とってもフレンドリーな場所に思えるよ。感動した。それから渋谷駅前の交差点の人の多さには圧倒されたね。あんなの見たことも、想像したこともなかったよ。来日前YOU TUBEで見たりしていたけど、全てが想像を超えていたよ。独特 のカルチャーだよね。

●ニューヨークと比べてどうですか?

──レイ:似ているね。ニューヨークの人がフレンドリーでないことは有名だけど。でもスーパーモデルみたいな女性が街を闊歩している姿を見たりすると、「だいぶ稼いでいるんだろうな」って興奮する(苦笑)。

──ブランドン:東京とニューヨークはよく似ていると思うよ。今まで行ったことのある街全てを思い返しても東京に匹敵するのはニューヨークだな。

──レイ:東京はもっとクレイジーだよ。カトゥーンや街のカラフルさは俺の想像は及ばないよ。
(注:通訳さんに)ハリソン・フォードが主演した『ブレード・ランナー』は観たことあるだろう? リドリー・スコット監督の。(『ブレード・ランナー』は近未来のLAを舞台にしたSF映画だが、その猥雑で妖しげな都市イメージは東京のナイト・シーンとも言われている。)リドリーがあの映画を作る前、ここ東京に来ていたと言われているんだ。

──レイ:ああ、リドリー・スコットはワイオミングみたいな田舎は知らないね。ハリソン・フォードはワイオミング(の別荘)に住んでいるけど。

●ラモーンズのカバーをしたことはありますか?

──コーディー:いつだったか、ラモーンズの曲ばかりのライブもやったことがあるよ。

●それ日本でもやってほしいなあ。では、ラモーンズの好きな曲を1曲ずつ教えてください。今日の気分でいいから。

──ミギー:そうだな。やっぱり「ピン・ヘッド」。あと最近特に好きなのは「インディアン・ギバー」かな。

──ブランドン:最近好きなのは、マママママ・・・「ママズ・ボーイ」(笑)。

──コーディー:「トゥデイ・ユア・ラブ・トゥモロウ・ザ・ワールド」。

──レイ:俺は「KKK」。

●歌の由来は知っているよね。

──レイ:ああ。ジョニーのことだろう。

●そう。映画「END OF THE CENTURY」は観ましたか。

──レイ:観たよ。いい映画だよね。大好きさ。ブランドンと一緒にロシアで働いていた時、シベリアの真ん中で観たんだ。2人で観ながら親父にもこの映画を観て欲しいって話したんだよ。

──ブランドン:「END OF THE CENTURY」は大好きだよ。

──コーディー:ディーディーの場面がいいね。彼が混乱している姿が。

●(出演時間が迫ってきてしまったので、残念ながらここまでとなり)、以上です。今日はどうもありがとう。

★★

インタビュー / FCスタッフ:カイチョー・ユキ(yuki kuroyanagi)
取材場所 / 東京・渋谷にて(2009年9月)
写真 / Sumie(Interview Photo), Yuki Kuroyanagi(Live Photo)
翻訳 / 横山 多佳子
通訳 / Bruce pavey(CRJapan)
協力 / PUNK CONFIDENTIAL JAPAN


テキスト及び写真 : 畔柳ユキ / Ramones Fan Club Japan (c)RAMONES FAN CLUB JAPAN
ALL TEXT & Photos by (c)yuki kuroyanagi & (c)RAMONES FAN CLUB JAPAN

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