2017年⭐︎春
プロモーターのSMASHとは春頃からミーティングをスタート。前回のCJ RAMONEの東京、名古屋、大阪の3公演と前回広島と宮崎の特別公演が成功したので、今回もファンクラブの特別公演を作ってやらせてもらえることになった。

CJは「日本ならどこでも行きたい」というスタンスだったから、予算があれば北海道から日本全国のあちこちでやりたいけれど、ファン・クラブの力じゃ無理。飛行機代や興行ビザを取って呼んでくれているのはSMASHなのでファン・クラブ・プレゼンツのDIY国内ツアーもプロと同じプロセスでスケジュールをつなげることにした。でもプロモーションをしている時間はあまりない。自分ができることを冷静に考えると(あちこちではできないなぁ)と夢と妄想に決着をつけて諦めた。CJバンドはメンバーが決まってなくて、サポートだから当然ギャラもちゃんと支払わなければならない。

SMASHはいつもファン・クラブに協力的で本当にありがたい。ファン・クラブが私設の応援団みたいなものだと理解してくれている(企業のビジネスじゃないという意味)、もちろんチケットを売るためのプロモーションでもある。でも今回もあれこれアイデアを出してくれて、ミーティングにはチケットぴあの人も参加してくれて(それすら個人じゃ出来ないわけだし)、記念チケットを作ることになった。東京・名古屋・大阪公演は入り口でオリジナルのチケットに交換してもらったでしょ? あれのこと。これなら取っておこうという気になるもんね。





2017年⭐︎夏前
今回もファン・クラブの特別公演を作ることをCJに伝えると「広島と宮崎みたいな? もちろん!! COOL!! 」と返事が来たのであれは良い思い出になってくれてるみたい。最初は北海道や山口も候補にあがっていた。決めた会場にお客さんが集まってくれて移動がスムーズにいくなら近場でも遠方でもありだ。そこにファン・クラブ公演を手伝ってくれるスタッフがいてくれたらどこでもできる。もちろん赤字を出さないように。


2017年⭐︎夏前の某日
ファン・クラブの候補地を出して赤字を出さない方法でどう作っていくかを考える日々。日程的には週末にうまくぶつけられそうだったので、あとはCJ BANDのメンバー分の国内移動費とホテルや食事代をどうやりくりするか。プロモーターの友だちにアドバイスをもらいながらこの頃は計算ばかりしていたっけ。考えた結果ファンクラブの特別公演は福岡でやることに決めた。山口でも ! ! と、一緒に働きかけてくれた二人には本当に申し訳ない。しかし決意しなければ前に進めず…。CJに「ファン・クラブ公演を福岡でやる」と伝えると、なんと「ソウルでは出来ない?」と言ってきた。私が昔、韓国のバンドのレーベルをやっていたことやFacebookにしょっちゅうソウルの写真を載せていたから。「え?」と思いながらも実際にできるのかどうかをソウルの友だちにリサーチしてみた。

これ、かなりいいとこまで話は進んだんだよね。11月3日(金・祝)に福岡公演後、福岡からソウルや釜山へ行くフライトはどっさりあったので出来なくはなかった。翌日4日(土)の午前便で福岡からソウルに飛んで(も東京より近いから)1時間強で到着する流れ。4日(土)の夜に、ソウルのライヴ・ハウスで公演する。CJは「ソウルには行ったことないから1日でもいい。行ってみたい」と言っていた。ファン・クラブでツアーを組み、みんなで「週末はCJのライヴを見て焼き肉を食べよう」 と計画も膨らんだ…時間さえあれば現実的にできそうな話だったとも思う。もうNY聖地巡礼ツアーを作ったあとだったから、隣の国への渡航は安いし簡単だから。CJもフジロックに出演した頃から「ソウルってどう? パンクはある?」とよく聞いてきていたっけ。

でも日本もそうだけど、ソウルのロック・シーンは決してメイン・ストリームにはいなくてHIP-HOPやK-POPが主流。キムチもとんこつラーメンも大好きな雑食男のCJ (NYのコリアン・タウンに最初に連れて行ったの私だけど)だから、 本場のグルメも食べてもらいたかったけど、これを仕切るのもファン・クラブ(=私)ってことになると、なかなか大変だなと。でも今はちょっと後悔してるかも。できなくはなかったような気もするから。ソウルのライヴ・ハウスの店長ともっと相談してもよかったかな…でも昨年の自分の忙しさを考えると、やっぱり無理か。


2017年⭐︎8月
福岡公演だけと決めつつも、ソウル公演をこそこそ調べる日々。ソウルでライヴをやるのは最低2ヶ月前でもブッキングできるから。それとは別にCJに「全公演でミーグリをやりたい」とまずこちらのリクエストも打診。もう打診しなくても絶対やってくれるけど一応ね~。

ラモーンズのメンバーは、マーキーもCJもラモーンズ時代にやってきたことは全部、今もそのまま受け継いでやっている。だからファンとのミーグリも99%嫌な顔せずやる。サイン会や企画するイベントはスケジュールに無理が無ければやってくれる。日本はファン・クラブがず~っとやってきてるから、当たり前のように「やんないの?」的な感じで言ってきてくれた。でも他の国ではミーグリを「やろう」のひとことで簡単に決まるわけじゃないらしいよ!? SMASHの小川さんに聞いてみるとミーグリもOKしてくれたので、ファン・クラブ会員のミーグリ募集を開始した。バンド、プロモーター、微力ながらもファン・クラブのトライアングルが出来上がってて意思の疎通はスムーズでずっと回っている。だからできるってことなんだなと今さら思う。


2017年⭐︎10月
『Thank you RAMONES』出版にむけての仕事はいよいよ多忙を極めていたけど、福岡公演の準備やミーグリのアナウンス、ファン・クラブの会員の質問に答える毎日。この質問が「ミーグリにプレゼントを持っていってもいいですか?」とか「サインは何にしてもらってもいいんですか?」とか、そんなこと? 的初歩的なカワイイ質問ばかりだな、と私は思っていた。けれど昨年入会した新しいファンにとっては初めての経験を前に緊張がメールから伝わってきた。ひとつひとつ答えました。おかげで私も少し初心に戻れたかも。

韓国ソウル公演は実は大手プロモーターに打診し(友だちがオファーの件ではすごく頑張ってくれたんだ) 何度か直接やりとりもした。韓国のカード会社が作った新しいクアトロみたいな会場はキャパ250名だけど、STINGも公演をしていたので、あのスタイルでいけるんじゃないか? という提案がうまくいくように願った
けど……(涙) 普通のライヴ・ハウスにブッキングしたらできたかな? とあれこれ後悔しながらも2017年の11月はやっぱり無理だったと今は思う。現実は現実で受け止める。でも…やってみたいとまだちょっと思ってたりして。<続く>



2018.03.09


テキスト&写真 : 畔柳ユキ / Ramones Fan Club Japan ©RAMONES FAN CLUB JAPAN
取材協力 : もにゃこ(RAMONES FAN CLUB JAPAN)
デザイン : ヤーボ・ラモーン(東京ラモーンズ)

記事及び写真の無断転載を固くお断りいたします。

 





 



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